HuBトーーク 豊中のおもろい人Vol.12 開催レポート

こんにちは!ジンノウチです。

HuBのコンセプトは、

-酒と学びとつながりと-
主人公として生きる人たちと、まちを楽しむ人たちと、
人と人、人と場所、人とまちをつなぐイベントBAR。

コンセプトにもあるように、まちと人がテーマのイベントを開催しております!

今回は、先日開催された HuBトーーク vol.12 の開催レポートをお届けします!


目次

HuBトーーク vol.12

開催日:2026年2月24日(火)18:00–22:40
ゲスト:マリオ(中尾英理)さん(ボーダレス・ジャパン)(ボーダレス・ジャパン)
テーマ:きのこから始まった、障害者雇用の事業づくり
ー新卒1年目からのソーシャルビジネス事業開発の試行錯誤ー

前回ゲストの斎藤さん(みつか坊主/惑星のウドンド)からのおつなぎでの今回。筆者自身もどんなお話が聞けるか楽しみにしていましたが、26歳事業家の人生を聞かせてもらう、そんな回でした!(新しい物事の考え方、発言ばかりだったのも面白かったです笑)


ゲスト:マリオ(中尾英理)さんってどんな人?

所属は ボーダレス・ジャパン。(ボーダレス・ジャパン)

ただ、生い立ちの話には生活感があって、いきなり距離が縮まります。

  • 「大阪市中央区の出身で..」
  • 「家族は父が自営業、母は一緒に店をやってて」
  • 「姉の権力が強くて、私は下側でした(笑)」

こてこての関西人なところや家族の話など、身近に感じるお話が多く、参加されたみなさんにとっても聞き入りやすい自己紹介から始まりました!


「普通って、誰のルールなん?」から話が始まった

この回が初見の方にも入りやすかったのは、全体を通してマリオさんが“自分のつまずき”を、ちゃんと笑いに変えつつ出してくれたからだと思います。

例えば幼少期の話では

忘れ物が多い。遅刻しがち。授業は一方的だと寝ちゃう。
体操服を忘れる。ランドセルを忘れて手ぶらで登校する。
スカートの下にパジャマを履いたまま登校して、途中で「ゴワゴワする…」と気づく。

……絵面が強い。笑

でもここからも、後の事業につながる部分があるんです。

「普通にしてよ、ちゃんとしてよって言われるけど、
普通って誰のルールで言ってんの?って思ってた」

この「普通への違和感」が、のちの「障害者雇用の事業づくり」の話に繋がっていきます。
「できない人を責める」じゃなくて、設計を変える方向へ。


コロナ禍の「オンライン留学」——脳内でトルコに行く..??

高校受験の頃にも、マリオさんの中にはずっと「日本の“普通”のハードル高すぎへん?」というモヤモヤがあったそうです。
そこでふと思ったのが、

「別の国の文化を学んで、別の国に住めば、生きやすくなるかもしれない」

そのとき選んだ言語が、まさかのトルコ語

理由がまた良いんです。まず地理の話から
トルコって、地図で見るとヨーロッパとアジアのちょうど境目にあって、文化が混ざり合う場所。

「いろんな民族が交わって、いろんな文化が合わさってできてる」
「だから寛容そうやなと思った」

ただ、本来は現地に行きたかったけど、コロナ禍で行けない。
そこでやったのが、オンライン留学を“自作”すること。

  • 携帯の表示は常にトルコ語
  • テレビもトルコ語
  • 生活の中に“トルコ語しか出ない状況”を作る


まさに“脳内でトルコに住む”みたいなやり方で、マリオさんは 「脳内留学」と呼び名をつけていました。
コロナって閉塞感のあるイメージでしたが、マリオさんのこの話を聞いているとなんだかとてもハッピーな気持ちになりました。笑


価値観がひっくり返った話:トルコの“時間・美しさ・堂々”

ここからが今回のハイライトのひとつ。
マリオさんは、トルコで価値観が変わった理由を3つに整理して話してくれました。

1)時間の感覚:「イシャラ」=神が望むなら

自身の遅刻の多さに悩まされることもあったというマリオさん。トルコには「インシャラー/İnşallah」という言い回しがあるそうで、

「神が望むなら、みたいな意味」
「約束に全然時間通りに来ないんですけど、怒れない」

日本の「遅刻=悪」文化と真逆で、
“来ないこと”が前提にあるから、気持ちがラクになる。

2)美しさ:「違うことが美しさだよね」

また、見た目についてのお話も。トルコの方々の顔だちは目が大きく、鼻が高いという、私たちの一般では「美の象徴」のような特徴があるというマリオさんの率直な感想から始まりつつ、でも、

「トルコは、ひとつの美しさだけじゃない」
「薄い目もめちゃくちゃ美しいし、違うからこそ惹かれる」と言われた経験

日本の「この型が正解」っぽい美の感覚が、関係ない世界線。(最初は「なにゆーてんねん!」と思ったそう。笑)
この話はイベント当日に深掘りはなかったですが、もしかしたら“比較される側”の経験がある人ほど、刺さる話だったのかもしれないと思います。

3)完璧じゃなくても:「50%の確信でも堂々としていい」

そしてもう一つ、マリオさんがいちばん「良かった」と言っていたのがこれ。

「完璧よりも、堂々としてることで、その人の話を聞こうと思える」
「確信50%でも、堂々としていいんや、って思えた」

日本だと「正しくないと発言できない」空気がある。
でもトルコでは「知らんけど、私はこう思う」が普通に飛ぶ。
その堂々の文化も、マリオさんの中での貴重な体験だったとのことでした。

この3点は、単なる海外エピソードじゃなくて、
実体験や、マリオさんの等身大の感想、想いも乗った、とても聞き手に刺さるお話でした。

そしてお話はいまの事業について


きのこ事業:良さそうやのに、めちゃ難しかった

ボーダレス・ジャパンで新卒1年目の秋、「事業やってみない?」と言われる。(新卒1年目に..?ともちろん私も思いましたが、ご存じない方はぜひボーダレスジャパンさんについて調べてみてください。)

その事業テーマは「障害のある方の働く場をつくる」こと。

そこで挑戦したのが、循環型の きのこ栽培。(ボーダレス・ジャパン)

なぜきのこ栽培?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、理屈が通ってたんです。

きのこ栽培事業は、事業環境も含めて

  • ルーティン作業で覚えやすい
  • 温度管理された環境で、ひとも作業がしやすい職場
  • 駅からまっすぐで通いやすい
  • 菌床の“その後”も循環できる(カブトムシ幼虫→堆肥へ)

……でも現実は、やればやるほど難易度が上がる。

「やっていくと“もっと難しい”“時間がかかる”が分かって、
損益分岐点がどんどん上がっていく」

そして結論として、

「きのこ事業自体は、事業としては成り立たないな、となりました」

ここ、会場の空気が一段静かになったのを覚えてます。
“成功したこと”だけじゃなくて、“失敗も含めて共有する”って、まさに人生を聞かせてもらうような回でした。


試行錯誤:カフェ、ドレッシング、受託…全部やった

きのこの次、マリオさんは本当にいろんな案を試します。

  • カフェ:接客が好きな人の選択肢になるが、飲食経験がなく難しい
  • ドレッシング:高単価で売るにはマーケが必要で難しい
  • 社内作業の外部受託:結局、健常者との価格競争になり“強み”が出づらい

ひとつひとつ、やってみて、難しさが分かって、やめる。
この「やめる」の判断の仕方が、めちゃ事業開発のリアルでした。


そして今:UNROOF(アンルーフ)との連携構想へ

試行錯誤を経てたどり着いたのが、ボーダレスジャパン内部の別事業、東京のレザーブランド UNROOF(アンルーフ)と組む構想。(ボーダレス・ジャパン)

マリオさんが「ここならいけるかも」と言った理由がめちゃ具体的で。

  • 工程分解ができる(得意に合わせて担当を分けられる)
  • ブックカバーは工程が比較的シンプル
  • 1ヶ月目→3ヶ月目でステップアップできる設計
  • ブランド・仕組みが既にある(ゼロから作らない)

そして、関西拠点を作る意義についても語っていただきました。
障害を持った方は、仕事も選びにくく、選べたとしても次は働く地域を選びにくい、と。
それに対してマリオさんは
「障害があっても、地元でプロとして働ける」世界を増やしたい——という話もされていました。


マリオさんの試行錯誤からの学び

マリオさんが事業について試行錯誤した結論としてまとめると…と置いたのが、ここ。

1)出口戦略から考える(作る前に売り場を見に行く)

「作る前にまず売り場ってどこにあるのか見に行かないと」

作るのはできる。でも、売れない。
“作る前に売り場を見る”は、福祉でも、商売でも、企画でも効く原則でした。

2)作業ではなく“資産”を作れるか(付加価値設計)

「障害者雇用をする上で、ついつい単価が上げにくい構造になってしまう」
「どう設計したら付加価値がつけられる作業になるか」

「誰でもできる作業」を安く回すだけだと続かない。
だから、価値が積み上がる設計=資産を作る必要がある。


最後に:フリートークも非常に深かったです!

休憩を挟んでの質問タイム、参加者の問いが本気でした。

特に印象的だったのが、「精神障害のある方の働き方」についての話。
「正規雇用・フルタイムが絶対に正しいわけじゃない」
「体調の波があるなら、成果の出し方や雇い方の選択肢を増やしたい」
業務委託や在宅など、“働き方の設計”の話へ広がっていきます。

そして、就労継続支援 A型/B型の話題も出ました。
「雇用が発生するA型は難易度が上がる」
「B型でもすごい成果を出す人はいる」
“制度の優劣”じゃなくて、「その人が真に輝ける形はどれか」を探る空気。

途中で参加者の方がされているレモネード事業の話が差し込まれたり、
「酒と学びとつながり」を大切にするHuBの空気があらわれていました。

最後、マリオさんも一言。

「みなさんのお話もたくさん聞かせてください。」

あと、こんなことも。

「今日、名刺を忘れてしまいまして…」

ほんまに。笑
でも、だからこそ、穏やかに、にぎやかに、まじめに、「じゃあどうする?」まで話が進む夜でした。

そんなマリオさんご指名の次回ゲストは..

障がいのある人、高齢者が、楽しみながら活躍する福祉事業を経営されている、山田先勝さん!

日程:2025年3月23日(月)
ゲスト:山田 先勝さん/株式会社Torch
会場:THE HuB(蛍池)
開場:18:00
トークセッション:19:00〜20:40
大交流会:20:40〜22:40(軽食・飲み放題付き)

参加費:5,000円(トークセッション+大交流会/飲み放題・軽食付き)
学生:3,000円
定員:20名限定

ぜひ、予定にいれてくださいね!




ライター:ジンノウチ
福岡生まれの若造。まちづくりに関心があり、普段は大阪大学7年生をしてます!
HuBの中での諸々を発信していきます~


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